映像・メディア

「本物」と「現場」を知ることが映画・ドラマ制作者になる最短ルート

映画やドラマはよく、総合芸術と呼ばれます。ストーリーを脚本に仕立て、それを映像や音楽、効果音などを駆使して伝えるので、それぞれの芸術分野が詰まった総合芸術というわけです。

特に最近ではメディアミックスといって、小説やマンガ、ネットなどさまざまなメディアが相互に関わり合う形が主流になっています。そんな中で映画やドラマは中核的な位置づけなので、映画やドラマ制作の司令塔となる映画監督や、撮影の専門家であるカメラマンなど映画やドラマの世界で活躍したいと考える人は多いでしょう。

当記事では映画やドラマの世界で活躍したい!一流のプロになりたい!と思う人に向けて、この世界で活躍するのに必要なスキルやプロになるまでの道のりについて解説します。

映画制作者になるための「資格」はない

映画監督や助監督、プロデューサーといった制作者、もしくは映画やドラマのカメラマンになるために必要な国家資格があるわけではありません。その資格があれば自動的に映画監督やカメラマンになれるのであれば話はシンプルなのですが、そうではないところに独特の難しさがあります。

それでは、何が必要なのでしょうか。映画やドラマ制作の世界は経験と実績、知名度がすべてです。多くの作品に関わって経験を積み、その経験をいかして生み出した作品が評価されることによってそれが実績となり、知名度が向上します。今をときめく有名な監督やカメラマンも、そうやって1つずつキャリアアップして現在の地位を確立したのです。

映画監督になるには

映画やドラマの監督になるまでの道のりとして一般的なのが、撮影のスタッフなどで現場経験を積み、そこから助監督、監督へとステップアップしていく流れです。しかし最近はメディアミックスが進んでいるので、映画やドラマ以外の世界から映画やドラマの監督になる人も多くなっています。例えば「君の名は。」の大ヒットで知られる新海誠監督は、もともとゲーム会社のクリエイターでした。そこからアニメ制作者となり、映画監督となった人物です。このように実績の積み方は人それぞれなので、今ではあらゆるルートからの「成功」が考えられます。

各分野のプロになる道のり

もう一方で、映画やドラマの制作には撮影や照明、録音、編集といった各分野のプロたちがいます。そのうちカメラマンは、映像を撮影するプロです。監督が思い描く世界を映像で表現する、一種の職人のような存在です。映像制作が学べる専門学校で基礎力を身につけて映画制作会社や映像制作会社などに就職して実績を積むのが一般的なキャリアパスです。これはカメラマン以外の制作スタッフにも同様のことがいえます。

映画やドラマ以外にもプロの撮影や照明、録音といった技術を必要とする業界はとても多く、アーティストのPV(プロモーションビデオ)やテレビ番組制作、ネット動画制作など、今では活躍の場が映画やドラマだけに留まらないのも魅力です。

映画やドラマの制作者に必要なスキル

映画監督や助監督など映画制作に携わる仕事には、映画やドラマの制作に関する幅広い知識と発想力、そして現場のスタッフと円滑に制作を進めるためのコミュニケーション能力が求められます。特にそれぞれの専門分野に関する知識とコミュニケーション能力は、各分野の専門家に能力を十分に発揮してもらうためにも重要になるでしょう。

カメラマンや照明、録音、編集など各分野の専門家を目指すには、何よりも大切なのがそれぞれの分野でプロのレベルの仕事ができるだけの知識と技術、それに裏づけられた経験です。映画やドラマの監督は撮影チームを指名することが多く、一緒に仕事しやすいメンバーをある程度決めています。そのメンバーに指名される人たちは監督の制作意図をよく理解して表現できている証拠なので、こうした指名があちこちからかかるような制作者になっていくことがキャリアアップに直結します。

重要なのは現場を知ること

冒頭で、映画やドラマは総合芸術であると述べました。これはつまり、各分野に精通していることと、全体を見渡して司令塔になることができる総合力が必要であることを意味します。学ぶべき知識の幅がとても広いため、短期間で効率よくマスターしていくことが難しい世界でもあります。

放送業界が作った専門学校である放送芸術学院専門学校には、3年制の「映画ドラマ制作コース」があります。撮影や照明、録音、編集といった、映画やドラマの制作に欠かせない知識を効率よく網羅して、さらにシナリオ制作や実際の映画・ドラマ制作実習を通じて実践力を養います。さらに映画やドラマは制作しただけではビジネスになりません。作品をPRする能力も求められるので、カリキュラムには映画宣伝ゼミも含まれています。

校内には実際にプロが使用するものと同等の最新機材を完備し、講師陣はもちろんすべてが現役のプロです。実践力を身につけるには「本物」から学ぶのが最も効果的で、それがプロへの最短ルートとなるでしょう。

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